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誇れること[ラグビー部リレー日記]

 written by 川口 峻悟投稿日時:2015/01/20(火) 12:10

同期の木下から指名を受けました、川口です。
 
「あなたにとって、学生時代で最も誇れることは何ですか?」ある企業のエントリーシート課題の中に、こんな質問があった。
 
東京大学に入って3年間、ラグビー部に入って毎日練習をし、幸せなことにAチームでもプレーができるようになった。誇れることなんていくらでもあるだろう。そう思って課題に手をつけた。
 
しかし、どれだけ考えても自信を持って誇れると言えることは見つからなかった。確かに、今の自分は入学当初より体は大きくなったし、ラグビーだって上達したと思う。だけれども、とてつもないウエイトトレーニングをして、誰より体が大きくなった訳でもなければ、常に練習に全力で取り組み、誰よりも上手になったわけでもない。練習にしろトレーニングにしろ、自分は常にそれなりに頑張って、それなりに上達していると思っていただけで、実際は苦しいことから目をそむけて逃げ続け、大切な部分は何も変わっていなかったのだという事実が、誇れることを探せば探すほど自分に突きつけられた。
 
周りを見てみると、自分と同じで高校からラグビーを始め、同じポジションでやっていた和宏は、気づけば自分のずいぶん前を走っていて、チームにとって欠かせない存在になっていた。どうして和宏はあれだけ成長しているのに、自分は少しずつしか変わらないのだろう、とこれまで何度も考え、彼を羨ましく思っていたが、何のことはなく、彼が3年間全力でラグビーに向き合っている間、自分はただ練習をこなし苦しいことから逃げていただけの話で、これだけの差がつくのは当然のことだと納得した。そして、自分の3年間がいかに薄っぺらなものだったのか、とてつもない情けなさを感じた。本当に、誇れるものなど自分には何一つなかった。
 
4年生になり、ここでラグビーができるのもあと1年となってしまった今、このまま「誇れること」が何もないまま卒部するのでは、この部に入った意味がないと強く思う。自分のつたないプレーを助けてくれた先輩方や、能力が高く、ついてくるどころかむしろ引っ張ってくれるような後輩たち、絶対に負けたくないと奮い立たせてくれる同期、支えてくださるマネージャーやトレーナーの方々、この大学に自分を通わせてくれ、誰よりも自分のことを応援してくれている両親。これだけたくさんの人に支えられていることを強く胸に刻み、今年1年、何事からも逃げることなく、ラグビーに向き合い続ける。1年後、胸を張って「誇れることは、自分たちの代で目標である入れ替え戦出場を達成したことです。」と言えるように。
 
次は、同じ法学部で彫刻のような肉体を持つ古橋君にお願いします。

新チーム始動にあたって[ラグビー部リレー日記]

 written by 木下 魁投稿日時:2015/01/17(土) 22:32


リレー日記をご覧の皆様
明けましておめでとうございます。
新チームの副将を務めさせていただきます新4年の木下魁です。
今年も東京大学ラグビー部をよろしくお願いいたします。
 
森主将をリーダーとする東京大学ラグビー部2015年のチームは先日プレシーズンミーティングを行い、現在は2月8日の本格始動に向けて、WTでのフィジカル強化、ポジション毎でのスキルアップに取り組んでいます。
                                              
今年は私たちにとって勝負の年です。先輩方の残してくれた財産を土台に、さらに強いチームを築き、過去2年の4勝3敗という成績を越えて、目標である「入れ替え戦出場」を達成しなければなりません。
4年生にとっては最後の1年であり、今年の新4年生18人はチームを入れ替え戦に導くべく、1年間必死で努力を続けていく所存です。しかしながら私たちの代は、松木さんの代のような強力なリーダーシップも、川島さんの代のような深いラグビー理解や高いスキルも持ち合わせていません。4年生が1年を通して成長し続け、チームを引っ張ることは当然ですが、目標達成のためには多くの方々に力を貸していただく必要があると考えています。監督・コーチ陣、トレーナーの方々、下級生、そしてOBの方々をはじめとする東大ラグビー部を応援・支援してくださるすべての方々に、2015年のチームにお力添えをいただけますようこの場を借りてお願い申し上げます。
 
特に下級生にはグランド内外で力を貸してもらわなければなりません。4年生の私たちが今年を勝負の年と捉えていることは当たり前です。しかし下級生の中のどれだけが今年のシーズンに対して同じ認識を持っているでしょうか。私たちの代でも「これまでの3年間、1年1年が勝負だと思って本当に必死で努力してきたか?」と聞かれれば、自信をもって首を縦に振れない人間も多いと思います。ただそれでは東大は強くなれません。ライバルたちよりもスタートラインが低い東大は、全員が「1年1年を勝負の年と認識して必死で努力し、それを4年間積み重ねる」ことで初めて他校の背中に追いつき・追い越すことができるのです。今年は昨年以上に下級生の力が必要になると思います。自分たちができなかったことを要求するのは心苦しいですが、今年の目標達成のため、そして継続的に強い東大をつくりあげるために、下級生にも“必死さ”を求めていかなければならないと考えています。
 
前置きが長くなりましたが、皆様にお力添えをいただくための第一歩として、「4年生の思い」というものを発信していくべきだと考え、シーズンイン前ではありますがリレー日記を更新することといたしました。私たち新4年生には“これまで3年間の思い”“今年にかける思い”“自分の決意”“チームメイトに求めること”など語るべきことは山ほどありますが、それを凝縮してリレー日記という形でお届けします。2月8日までに新4年生全員が更新いたしますので、目を通していただき、私たちの“本気”を感じていただけたらと思います。
 
なお、私自身の思いは森主将の思いとともに、特集記事 VOICE:2015(PC版トップページ左端のバナーからご覧いただけます)に記してありますので、そちらをご覧ください。
 
それでは新4年生が熱い思いを乗せてバトンをつなぐリレー日記。
最初は昨年とは違うポジションで新シーズンに臨む川口峻悟にお願いしたいと思います。
 

team2014[ラグビー部リレー日記]

 written by 松木 秀伸投稿日時:2014/12/22(月) 10:00

長かった4年が終わる。
 
今年主将を務めた僕は,ラグビー部の顔として他の運動部の幹部から他所の部活事情を耳にする事がよくあった。何処の部活も様々な苦労がある様だが,中には成績が振るわず春シーズンで4年生が引退した部や4年生ではなく3年生が主将になった部もあった。
今となっては「何処も大変なんだな」の一言で片づけられるが, 去年の12月の時点では明日は我が身の必死の状態だった様に思う。
 
去年の12月,スーパースター川島さんをはじめ何人もの主力が引退されると同時に,来て頂いたコーチ陣も退任された。ここ数年東大は戦術のすべてを川島さんと安井さんに頼り切っており,その2人が抜けてゼロからラグビーを構築せざるを得なかった。
そんな状況にも関わらずチームには,お世辞にも上手とは言えない4年生と右も左も分からない下級生,そして「川島さんをもってしても目標に届かないのか」という無力感だけが残った。
いざ練習してみると,FWは危なっかしくてスクラムが組めない。BKは4人でのパス回しでさえミスを連発し,パスの練習なのかセービングの練習なのか分からなくなる程であった。
目標は「入れ替え戦出場」ではあったが,目標達成を夢見るワクワク感よりも対抗戦全敗が現実に起こり得る切迫感の方がはるかに大きかった。
方針を誤れば夏を待たずしてチームは分裂すると感じていた。
 
しかし,その 一方で希望もあった。
東大の部員は,他のどのチームよりも真面目でひたむきだ。受験勉強を経たからなのか,とにかく努力する事への抵抗感が無い。メニューが与えられれば真面目に一生懸命やる。タックルが大事だと言われれば,必ずタックルに入る。
一方で,「正しい」とれる考え方を無批判に受け入れてしまう危うさもあった。
だからこそ, 上に立つ自分が勝つ為の道筋を明確に示し,部員のひたむきさを正しい方向に向ける事が出来れば,このチームは必ず飛躍できると信じていた。
 
不安と信念が交錯しながら,去年の12月から文字通り必死だった。格好だの自尊心だのを気にしている場合ではなかった。
主将として圧倒的な知識不足を痛感し,資料やビデオを漁りがむしゃらに勉強した。文字を追うだけで得られる知識に限界を感じ, 有名なラグビー指導者にSNSでアポを取り見学の為に京都まで足を運んだ。
チーム内でも借りられる力は誰からでも借りた。4年の鉄本やボブのみならず下級生の木下や立山,津川も集めて, 部室2階でああでもないこうでもないと何度もラグビーの話をした。
それでも練習が上手くいかない時に理屈を超えた部分で主将を信じてついてきてくれる様に, グラウンドでは必死でプレーした。
 
そんなトライ&エラーを何度も繰り返す内に,少しずつ状況は変わり始める。
怪我ばかりだった松田や藤堂,平松の洛南勢がチームで活躍し始めた。
宇野がFWを自在に操った。華奢だった棚橋が相手を薙ぎ倒した。大川がスクラムを押しまくった。ボブは物凄いタックルを連発するばかりか,ATでも突破役になった。ガリガリだった翔太はFWサイドを積極的に突破し,空中戦でも自信を持って体をぶつけにいった。難波はグラウンドを駆け回った。上田はトライを取りまくった。皆の上達はここには書き切れない。
シーズン初めの「何やっても上手くいかないんじゃないか」という閉塞感は, 「やれば出来る」という確かな実感へと変わり始めた。
ついには十数年ぶりの金星を挙げた。
「入れ替え戦出場」は夢から目標に変わった。
 
長かった4年が終わる。
対抗戦は4勝3敗。結局シンデレラストーリーは描けなかった。
対抗戦全体のスコアを見ると, 一橋戦と成蹊戦に「たられば」を付けて,歓喜に沸いた今年のチームの姿を思わずにはいられない。悔しかった。チームの進歩を何としても結果で示したかった。
 
だが。
今年のチームは始めの頃と比較にならない程上手くなった。多くの後輩から力を借りたおかげで,今年のノウハウや経験も引き継がれていくだろう。勝利の喜びも,負けた悔しさも存分に味わった。そうやって経験を積み力をつけた後輩が,今度は必然のものとしてサクセスストーリーを描いてくれる事を信じている。
 
長かった4年が、明日終わる。
この日記の最後に, 同期と後輩への感謝を述べようと思ったが書いてみてやっぱり辞めた。センチメンタルな言葉はコンパや納会の時に語ればよく, 今は明日の京大戦の事だけを考えよう。

「勝って歴史を作る為」「「勝って恩に報いる為」
この1年間主将としてチームを鼓舞する為に様々な言葉を発してきたが, スポーツマンは結局の所「勝ちたいから勝ちたい」のであって厳密にはそこに理屈はないのだと思う。
遠回りをしたが,ようやく今年のラグビースタイルが確立され機能し始めている。
今年のラグビーを見せつけたい。勝って有終の美を飾りたい。このチームの到達点が見たい。
その為にも一人のラグビー選手として, 闘争本能に忠実に,勝利への渇望を前面に押し出して京大戦を戦います。
 
長文失礼致しました。
 
松木
 

副将として[ラグビー部リレー日記]

 written by 大川 充穂投稿日時:2014/12/19(金) 22:44

こんばんは。副将の江村からバトンを受け取りました、もう一人の副将大川充穂です。
 
ついに私のラグビー生活もあと数日でおしまい、というところまで来ました。あっという間のようにも思えますし、大学1年のころなどは逆にはるか遠い昔のようにも思えます。
 
今年一年、非常に苦しく長い時間でした。松木が、鉄本が、後輩の立山が、プレーでチームを盛り立てていく中で自分は副将として試合には出ているものの、チームを引っ張るようなプレーはまったくできずにいました。春シーズン目標としていた防衛大や九州大。勝った後も、自分が担当していたスクラムなどでは本当にこのままで大丈夫なのか、常にモヤモヤとした不安の中にいました。そして秋シーズン。結局最後まで、チームに明確な貢献をすることができずに、私のラストシーズンは終わってしまいました。私自身、最後までいいパフォーマンスができなかったことが非常に悔しく、そうした差が一橋、そして成蹊に届かなかった要因の一つになってしまったことに対して後悔しかありません。
 
そしてなにより、自分があまりに副将として能力が不足していたことが苦しく、また辛かった。FWの練習の統括を任されたものの、今まで一個人で好き勝手にプレーしていたときとはまったく違う上に立つ人間としての視点を持たなければならないということに最後まで不慣れなままでした。自分自身もプレーする中で周りを、全体を見て課題を見つけ、原因を特定し、しっかりと理論立てて指導する。声の大きさも抽象度も認識も様々な声が飛び交う中で何を選ぶかをその場その場で決断しなければならない。残念ながらそうしたことが自分ではほとんどできませんでした。結局ほかの練習も統括する松木や鉄本、立山たちに頼り切りになってしまうシーンも少なくありませんでした。自分が方針の芯になれない結果、練習自体がモヤモヤした状態で終わってしまうことも少なからずありました。そうした練習が積み重なった結果、果たして同期は、後輩たちは、この一年間でどれだけ成長できたのだろうか。彼らの一年間を受け取っておきながら、自分がやった練習はそれに応えることができたのだろうか。既に過ぎてしまった時間は戻ってきませんが、いま改めて振り返っても自分の能力のなさに歯がゆさしか覚えません。
 
 さて、こうして後ろ向きな、後悔の話ばかりしてきましたが、幸いにしてあと一試合だけ自分には残っています。加藤も書いていましたが、そこで最高のプレーをして、後輩たちに少しでもカッコいい姿を見せられたらな、と思っています。
 
乱文失礼いたしました。さて、今シーズンのリレー日記もついに最後の1人です。
我らが主将松木秀伸、よろしくお願いします。

今思うこと[ラグビー部リレー日記]

 written by 江村 俊彦投稿日時:2014/12/15(月) 19:08



マネージャー長の山田絵梨香からバトンを受け取りました、江村です。

 

朝練のために4時過ぎに起きるのも、残りわずかとなった。あと一週間ほどでこの生活も終わりである。

 

以下、今思うところについて書かせていただく。全体的にネガティブな内容が多くなってしまったがご容赦いただきたい。

 

この4年間、一言でいえば上手くいかなかった。結果を出すことにこだわってきたが、選手としてもチームとしてもそれは叶わなかった。目標としていた入れ替え戦には出れなかったし、選手としてもほとんど貢献できなかった。

 

今年は副将になるにあたって、プレーヤーとしても上手くなくラグビー理解度も高くなく、リーダーっぽくもない自分がBKを引っ張るため、入れ替え戦に出るために、全てをかける覚悟を持って臨んだつもりだったが、失敗ばかりであった。

リーダーになったことで自分が今まで逃げてきた、統率力のなさ、口下手、キャパシティーの小ささ、などなどあらゆる自分の弱い部分とまともに向き合うことになり、いかに自分が弱点から目を背け続けてきたかを痛感した。今更ながら、多大なる迷惑をかけたチームメイトには本当にすまなく思う。

 

また選手としても、プレーで引っ張ろうと思っていたにもかかわらず、全くできなかった。4年間を通して怪我が多かったが、この1年は特にひどかった。春シーズンも長期間怪我しておりまともにプレーできなかった。夏合宿で戻ってきたものの、対抗戦初戦の一橋戦の数分で怪我して中途半端なプレーをしてトライをとられ、チームに悪い流れを作ったまま退場し、チームは大事な初戦を落とした。目の前が真っ暗になった。

対抗戦に戻って来られたのは結局、最終戦の後半である。
怪我を乗り越えやっとの思いで復帰したと思ったら怪我する、ということが多くほとんど大事な試合にも出られなかったし、復帰しても思うようなプレーはできなかった。自分はいったい何をやっているんだろうと情けなく思うことばかりだった。

 

今の感情は色々入り混じっていて、うまく表現できる言葉が見つからない。もしかしたら未だにこの結果を上手く受け入れられていないのかもしれない。

 

ただ言えるのは、首脳陣としても選手としても上手くいかなかったのは、結局いろいろな面で人間として甘かったからだろうということだ。結果を残せなかったということは自分の弱点や、怪我を乗り越えられるだけの取り組みができていなかったということである。しかし今悔やんでも、もうやり直すことはできない。

 

23日はラグビー生活最後の試合となる。しっかり準備して、納得できるラグビーをして終わりたい。そして今までお世話になった人々(怪我のリハビリを根気強くみてくださったトレーナーさん、毎朝テーピングをまいてくれたマネージャー、同期や後輩、さまざまな面で助けてくださった方々)への感謝を試合に勝つことで示したい。会心の勝利で今までの鬱憤を晴らす。

 

以上です。

 

次は同じく副将の大川くんにお願いします。

 

江村俊彦

 

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