ブログ 魚住 承吾さんが書いた記事

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におい[ラグビー部リレー日記]

 written by 魚住 承吾投稿日時:2019/11/03(日) 18:59

 高校時代に演劇部だったという経験を活かし、トレーニング中にその演技力を遺憾なく発揮している1年の財木からバトンを受け取りました、2年の魚住です。同じ時期に手術したとは思えないほどの回復速度にいつも驚かされ、励まされています。ありがとう。

 僕は5月に前十字靭帯を断裂し、8月に手術を受け、復帰まで約半年かかるという状況です。さて、そんな絶望的な状況の僕ですが、今現在僕が最も悩んでいることはラグビーができないことでも、気持ちよく走れないことでもありません。(もちろん、それも相当凹みます。笑)それは部室の匂いです。

 こんなことを言うとせっかくラグビーワールドカップで盛り上がり完全に追い風である来年のラグビー部への新歓に多大なるダメージを与えかねないですが、あえて僕は言います。東京大学ラグビー部の部室は臭いです。普段は大丈夫なのですが、練習終わりでみんな汗だくの時の部室の匂いは想像を絶するものです。しかし僕はこの事実に怪我で練習出来なくなるまで気付きませんでした。

 怪我した当初はなぜこの2年の途中まで自分が気づかなかったのか不思議で仕方なかったのですが最近になってその理由が分かりました。それは練習できていた時は自分も臭かったからです。自分がその時発していた臭いが他の人の臭いと同等かそれ以上に臭かったため、あまり感じなかったのです。このことに気づいた時僕はなぜかどうしようもない悲しみを覚えました。自分が怪我でプレーできていないという事実を強く感じたのです。僕は今まで練習中でも練習を見ずに自分のリハビリやトレーニングをして、この事実から目を背けていました。この時、今まで僕の中に溜まっていたものが出てきました。

 僕が2年になり、新チームが発足したての頃、とても怪我人が多い状況でした。チームとしては良くないことですが、シニアに上がりたての僕達2年にとっては試合に出る絶好のチャンスでした。シーズン最初に行われた東工大戦では7番として80分間プレーさせてもらいました。しかし、その後脳震盪によってスイカを着られるチャンスである定期戦に出られる機会を失い、復帰できたと思ったら前十字靭帯断裂。僕は結局このチャンスを活かすことができませんでした。他の同期はみんなそのチャンスをものにして、着々とスイカジャージを着ていく中、僕だけが1人いつまで経っても着られない。僕の心の奥底に溜まっていたものは僕だけが同期の中で遅れをとっているという焦りでした。

 しかし今考えてみるとその感情と向き合えてよかったなと思います。このままでは終われない。1日でも早く復帰して成長し続けている同期に追いつきたい。そう強く思えました。復帰して激しくプレーし、他のプレーヤーのように強烈な臭いを放っていきたい。この強烈な臭いこそがラグビー部員である証なのかもしれません。

 次は将来S&Cコーチとして、某先輩のように僕らプレーヤーを肉体的、精神的に支配するであろう、1年の佐藤にバトンを渡します。

辞められない理由[ラグビー部リレー日記]

 written by 魚住 承吾投稿日時:2019/02/21(木) 10:20

理系の僕に少しは分けてくれと思うほどテストで膨大な点数をかっさらっていく同期の岩崎からバトンを受け取りました、新二年の魚住です。
45泊の疑惑の岩手旅行で色々な噂が飛び交っていたらしいですが、別に部活サボるために嘘ついたわけでもなく、部活をやめることを決めたわけでもないので安心して下さい

さて、前回は初回ということもあり置きにいった話をした結果、くそつまらんという沢山のフィードバックがありましたので、もう少し踏み込んだ内容を話そうと思います。

僕がこのラグビー部における立ち位置はこの一年で完全に定着してしまった。サボり、意識低い、遅刻、シ◯ずみ、等々99%不名誉な称号を持っている僕だが、僕にだってこの部活に対して思うこともあるし、将来に対する考えもある。今回は少し長くなるかもしれないが、そのようなことについて話したいと思う。

僕が「ラグビー部で1番◯◯」という項目を挙げるとしたら多分「ラグビー部で1番ラグビー部を辞めようと思った回数が多い」くらいしかないのではないかと思う。はじめのシーズンは主に練習自体と練習スケジュールのハードさ、特に夏合宿の2部練の日なんかに強く思った。また、秋シーズンではそれに加えて僕のラグビー部に対する意識と僕以外の人のラグビー部に対する意識の差が大きすぎて、こんな意識の高い集団の中に僕みたいに中途半端な気持ちのやつがいていいのかという葛藤から部活をやめることを考えていた。和田さんは「サークルノリが嫌いだ」と断言していたが、それは完全に僕のラグビー部に抱くそれであった。冬オフの期間はこの素晴らしいオフからまたきつい練習に打ち込まなければならないのかという思いから部活を辞めそうになった。

何回も辞めそうになっている僕だが、なんやかんや残っている。僕が思うにその理由はつある。
1つ目は惰性。人間は変化を嫌う生き物である。単にやめる手続きをするのが面倒くさい。
2つ目はやめても他にすることがないこと。今の時期にやめてもどこのサークルにも入れないだろうし、おそらく大学という自由すぎる場所で、どこのコミュニティにも属していない状況は相当辛く、膨大な時間を弄ぶであろう。
ここまでくそみたいな理由を2つ続けてあげてきた僕だが、残りの2つの理由はまだマシなので怒らずに見ていって欲しい。
3つ目は、自分が思っていた以上にラグビーが好きになってしまったことである。僕がラグビー部に入った理由はラグビーをしたいからというより部活動に入っていい仲間を作りたかったからである。僕は一応小学生の頃にラグビーをやっていた。しかし、ラグビーが嫌いだった。痛いし、しんどいしで、当時週1だった練習が億劫で仕方がなかった。しかし、まがいなりにも最後まで続けると達成感と共に苦楽を共にしたいい友達ができた。その時の感覚がまだ残っていたのでどうせしょうもないサークルに入って薄い人間関係を築くよりは部活に入った方がいい、こういったことである。しかし、ラグビー部を続けて行くうちに小学生の時には感じなかった楽しさが僕の中に芽生えたのである。うまくタックルが決まった時、ラインブレイクする時、トライをとった時。ラグビーは僕にとってまだ90%痛くてしんどい嫌なものであるが、その向こうにある残りの10%である楽しさを知ってしまっては容易に辞めづらくなってしまった。
つ目は、最近できた僕の人生設計に向けて、である。僕が東大に入った理由はとてもしょうもなくて、高2の夏に東京でとてつもなく美味しいすき焼き屋さんに連れてってもらってそれを食べた時に「こんな美味しいものを毎日食べたいお金がいるお金持ちになりたい東大に入ったらなれそう!」という小学生のような思考回路で東大に行くことを決めた。入ってからもその気持ちには変わりなかったし、ラグビー部なんかに入っておけば就職も有利ではないかと思っていた。テストも適当にやって単位さえ取って留年なく卒業すれば一流企業に就職できるのではないかと思っていた。おそらくそれらは事実だろうし、それらはお金持ちになるための近道かもしれない。しかし最近になって「せっかく東大に入ったのにそれでいいのか?」と思うようになった。
僕は元々宇宙が好きで、小さい頃は宇宙飛行士になるのが夢だった。今でも宇宙系の授業は好きで、話を聞いているだけでワクワクしてくる。僕は今まで夢とお金を天秤にかけると秒殺でお金に軍配が上がっていたが、ここに来てその天秤が均衡してきた。よく考えてみたら東大に入って大学でほとんど何もせずに卒業して、東大という肩書きだけ引っ提げて就職するということはとても陳腐で、無意味なことのように感じた。ならば、もっと中身のあるここでしかできない学びをしたい、そう思うようになった。その時にできた僕の人生プランはこうである。大学で宇宙科学について研究し、その後に宇宙飛行士になり、大学で学んだものを宇宙空間で実践する。ラグビー部に所属している意味はこの4年間過酷な環境で肉体的にも精神的にも強くなり、より宇宙飛行士にふさわしい人材に自分自身を昇華させていくことに見出した。

最初に僕は部活を辞めようと思った回数が1番多いと言ったが、それでもまだラグビー部に所属しているということは裏を返せば、そこから立ち直った回数が1番多いとも考えることができる。自分一人で立ち直ったみたいな言い方をしているが、もちろんそうではなく、辞めようと思ったその都度その都度、同期のみんなと一緒にいる空間が心地よかったり、試合でいいプレーをして先輩に褒めてもらうのが嬉しかったり、と楽しい思い出が蘇ってくるのである。
おそらく今後もそのような辞める辞めないサイクルの連続だと思う。基本的には勝手に悩んで、勝手に同期や先輩を見てて励まされて、勝手に立ち直ってるだけだと思うが、本当にやばくなったら同期に相談するかもしれない。そんな日が来ないことを祈るが、もし万が一来たら、あっさり辞めさすのではなく、全力で引き戻して欲しい。笑

長く拙い文章でしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございます。
次は、合宿時代から名誉ある某パートを率いている4年の中須さんにバタンを渡します。
 

怪我の功名[ラグビー部リレー日記]

 written by 魚住 承吾投稿日時:2018/09/30(日) 20:00

後輩に嬉しそうになんでも奢ってくれる器の大きい、4年川北さんからバトンを受けました、1年の魚住です。
ラグビー部に入って5ヶ月が経ちましたので、その途中報告をさせていただきます。

僕は先日のOB戦で左足首を捻挫し、全治6週間の状態です。そのためほとんどの練習には参加できません。その代わりに、僕は部室の掃除、練習の見学→フィードバック、怪我人用のトレーニングなどをして過ごしています。


怪我する前はきつい練習をしている最中に、怪我人をみて楽そうだなあ、と羨ましがっていました。しかし、いざ自分が怪我人になってみると、みんながしんどい練習をしている中自分だけが何もできない罪悪感、自分だけみんなに差をつけられているという焦燥感、そして何よりラグビーができないことへのじれったさ、があって、全然楽なもんじゃなく、そんな風に思っていた自分を恥じました。

でも、怪我をしてよかったこともあります。それは少し触れましたが、自分の中のラグビーがしたいという感情を再確認することができたという点です。

僕はよく、同期のやつから意識が低いといわれます。それは自分でも少し自覚していました。ウエイトが嫌いでサボっていた時期があったり、きつい練習で自分を真に追い込んでいなかったり、朝早く起きて部活に行くのがとても億劫になる時があったり、周りのやつと比べると僕だけラグビーに対する情熱が少し欠けているようにも感じました。そのため、怪我をする前は「どうして大学にも入ってこんなきつい部活に入ったのか?」という考えにしばしば至り、その明確な理由を自分の中で発見できずにいました。

しかし、怪我をして、一旦練習から一歩距離を置くことで色々とラグビーの魅力が見えてきました。今では、きつくて嫌だった練習もしたくてたまりません。怪我の功名とはまさにこのことだなと思います。

次は、同じポジションの先輩である3年櫻井さんにバトンを渡したいと思います。
 
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