ブログ 塩谷 航平さんが書いた記事

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言葉の悪戯[ラグビー部リレー日記]

 written by 塩谷 航平投稿日時:2022/11/20(日) 23:50

細かいところまで気を配れて、優しいオーラが溢れているゆいちゃんからバトンを受け取りました、2年の塩谷です。僕の好きな亀井(元巨人で去年引退した)選手がDeNAで現役復帰したらDeNAファンになるかもしれません。


 

 


 

言葉って難しいなとふと思うことがあります。


 

 


 

例えば「現状維持」。字義通りの意味は現在の状態をそのまま据え置くことで、誰もが知っている言葉です。でも、そのままの意味で捉えてしまうと良くない場面も存在します。『最後の晩ごはん』という僕の好きな小説があります。この世に心残りがあって成仏しきれていない幽霊(基本的にいい幽霊)を成仏するために、定食屋の訳あり主人と訳あり店員が美味しい料理を通じてその心残りを解決していくと言うストーリーです。この本の中で定食屋の主人が、


 

「お客さんが何かを食うてうまいと思ったら、その食いもんは毎日少しずつ旨うなってく。記憶っちゅうもんはそういうもんや。せやから、次に同じものを注文された時には前よりも美味しゅうせんとアカン。それでやっと、「変わらん味」て言うてもらえるんやで。」


 

と語っていました。これは現状維持の難しさをとてもわかりやすく表現している文章だと思います。いわゆる現状維持は「現状維持」じゃない。同じレベルのことを繰り返し続けるだけではむしろ退化でしかなく、少しずつのレベルアップをして初めて「現状維持」が達成されるということを改めて認識させられる一節でした。


 

 


 

もうひとつ、「型破りな〇〇」という言葉もまた難しい言葉の一つです。偏差値30代の高校生が東大合格を目指すドラマ『ドラゴン桜』で、


 

「ルールを守るものが最も独創的である。どんな斬新な発明も、先人達の築きあげてきた理論・学問の上にあるのだ。」


 

というセリフがありました。型破りという言葉は型を度外視した奇抜なものに見えがちですが、本当は型を誰よりも理解してきた人にしか出来ないことだということがよくわかります。


 

 


 

この二つはよく耳にすることです。でも、意識しないと意外に変化のない現状維持をしていたり、奇抜なものにすぐに飛びつこうとしたりしてしまっているものです。言葉というのは、その意味を理解するのはとても難しいことですが、逆にこの意味を深く考えるようになると成長につながるヒントがあるかもしれません。


 

 


 

次は韋駄天はるとにバトンを渡します。足の速さも数学の出来も一級品の彼ですが必修の単位が気がかりです。

めぐり合わせ[ラグビー部リレー日記]

 written by 塩谷 航平投稿日時:2022/06/26(日) 22:27

下級生FWをまとめる一方、気持ちは現役大型CTBの安富さんからバトンを受け取りました2年の塩谷です。最近、先輩達との関わりが増えて楽しくおしゃべりしている僕ですが、安富さんには生意気に見えてるようです。「しおたにぃ~、やめないで~」と言ってくれる先輩や僕が夢に出てくるほど仲良くしてくれてる先輩、意味もなく見つめてくる先輩など、個性豊かな先輩達に恵まれて毎日笑いが絶えません。

先輩もさることながら、同期にも恵まれました。少し前にラグビーを続けるか野球をするか迷っていた時に話を聞いてくれてありがとう(説得していただいた、コーチ・先輩の方々も本当にありがとうございました) 。この同期じゃなかったら、もしかすると思いとどまれていなかったかもしれません。そう考えると「めぐり合わせ」というものはとても大切です。偶然、高校の先輩がアメフトにいて、その新歓に行ったら偶然同じチームにラグビー部の新歓しに来た同期がいて、ラグビーの新歓に行ってみたら偶然同じクラスの同期がいて、偶然一緒に部活・サークルを回ってた高校同期が元ラグビー部だった(のちに彼はシャワーに入らないことでラグビー部1の名物キャラになるのですが、、、)という偶然が重なり、入部して今に至ります。奇跡のようですが、「人と人の出会いは奇跡なんかじゃなく、各々の一つ一つの選択がお互いを引き合わせた」という言葉通り、一つでも欠けていたらこの仲間たちに出会えていなかったと思うと過去の自分に感謝したいです。今では冗談で「野球部行こうかな」なんて言ったりもしますが、過去の自分に胸を張って「お前の選択は間違っていない」と言いたいです。

あの時アメフトの新歓に行っていなかったら、あの時フランス語を選んでいなかったら。もっと言えば、7年前本郷高校に入学していなかったら、僕はここにこの文章を書くこともなかったでしょう。僕自身はラグビー部ではなく、ノックオンをかろうじて知っているかどうかというほどラグビーに関して無知でした。しかし、スポーツが好きだったので花園まで応援に行きました。そこではがむしゃらに勝利を掴もうとする選手たちの姿に胸を打たれました。一つコンタクトが起きるたびに力が入り、気づいたら拳を強く握りしめていました。結果は負けてしまったのですが、整列後に泣き崩れた選手達の涙を今でも忘れられません。大きくて逞しい彼らの背中はとても同じ高校生とは思えず、輝いていました。この感動はすでに東大ラグビー部に入るための布石だったのかもしれません。

ここまで「めぐり合わせ」というものを実感することはなかなかない経験だと思うので、今では一つ一つの「めぐり合わせ」を大切にするようになりました。出会う一人一人をリスペクトして、一つ一つの機会を大切にしています。リスペクトした上で相手プレーヤーなら思いっきり吹っ飛ばし、同期・先輩・後輩なら思いっきりいじり倒したいと思います。それが最高の礼儀だと信じています。

話が少しそれましたが、「めぐり合わせ」というものは誰にでも絶対にあるものなのに何か起きないと気づかないものです。そういうものが意外と一番大事だったりするのがまた面白いところです。今度は僕がグラウンドに立ち、そのプレーを見てラグビーとの「めぐり合わせ」を感じてくれる人が出てくることを祈っています。

次は可愛げとクールさを併せ持った独特な空気感を醸し出す一木です。笑いの本場、大阪出身の彼は果たして何を語るのでしょうか。

根性[ラグビー部リレー日記]

 written by 塩谷 航平投稿日時:2021/11/15(月) 17:12

ごたつさんからバトンをもらいました1年の塩谷です。ごたつさんは弾丸のような突進をいつも見せてくれますが、尊敬しているイチローの背番号を後輩に取られてやきもちを焼いたという噂のかわいらしい一面もある先輩です。この部活には野球部出身者が意外と多く、東大ラグビー部野球セクションを作りたいと日々思っているので、その時には堂々と背番号「51」をつけて欲しいです。



中学時代僕は野球部だったのですが根性論というものが嫌いでした。これはキャッチャーというポジションがそうさせたのかもしれません。常に全体を見渡し、熱くなりやすいピッチャーという存在を相方にしながら冷静でいなければならない扇の要、それがキャッチャーです。そのため、「気持ちが強い方が勝つ!」と言われると、「何言ってんだよ、実力と頭脳だよ」そう思っていました。3年生最後の夏、いきなり強豪と試合することとなりました。僕はいつも通り考えて試合をすれば"いい試合"にはなるだろうと思っていました。しかし、試合前にエースの球をいつも通り受けていたら、いつもより重く感じたのです。いざ試合が始まると彼はいつも以上に声を枯らせて味方を応援し、ヒットが出れば飛び跳ねて喜んでいました。そんな気持ちが伝染したのか、次を託されたピッチャーも強い球を投げ込み、守備でもいいプレーが出始めました。僕たちのチームは最終的に逆転して勝つことが出来たのです。この時僕は、気持ちって何か力があるのかもしれないと思うようになりました。



これはスポーツから離れてからも同じでした。高校では社会部で様々なプレゼンの機会がありました。相手は自治体や企業で実際に前線で働いてる方々、世界を飛び回って活躍されている方々などでしたが、どれだけ数字を並べても結局最後に彼らを動かしたのはいつも気持ちでした。どれだけ自分たちの気持ちを伝えられるかの勝負でした。



この"気持ち"は僕がラグビー部に入部した理由のひとつでもあります。まだ入部を迷っていた時に同じように迷っていた1人の同期が、「未経験者として経験者を超えてグラウンドでプレーしたい」と言っていたのを聞いて、「こいつと一緒にプレーしたい」と思えたのがきっかけです。昔の僕なら何青臭いこと言ってんだよと思っていたかもしれません。でも今ではどんなに青臭い言葉でも、使い古された言葉でもそれが人を変えることを学びました。



いつもトークで出てくる強いプレーというのは気持ちが1番現れるところだと思っていて、それは始めたばかりでも経験者に勝てる部分だと思うので、ガンガン強いプレーをしていきたいと思います。もちろん根性だけで上手くなれるわけもなく、考えて練習した上で普段からの気持ちが自然と出ることが大事だと思うので、冷静さも失わないようにしていきます。飛び飛びに話を書いてしまいましたが、僕の気持ちの整理と思って温かい目で読んでいただけていれば幸いです。



次は廣瀬さんにバトンを渡します。ラ・サール高校出身の1年が廣瀬さんに怯えてるという噂を耳にしました。DL期間に良くしてもらった僕にはまだ優しい先輩に見えてます。まだ廣瀬さんのプレーを見たことがないので、優しくて強い姿を見れる日を楽しみにしています。
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2025年5月

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