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特別ではない私だけど[ラグビー部リレー日記]

 written by 西山 鈴音投稿日時:2021/01/06(水) 19:00

松井大岳くんからバトンを受け取りました、4年スタッフ西山鈴音です。
彼とは、4年前の新歓の一環で観戦した早稲田戦の帰路にて「ラグビー部入る?」と話していたことを最近よく思い出します。もっと言うと、その後、上京したての彼に西武新宿駅から小田急線新宿駅の乗り換えを提案してしまい、後日道に迷ったと怒られたことも懐かしいです。
引退も近いこの頃は、こんな風にくだらないことをよく懐古してしまいます。


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11月29日

どこかで、私たちは特別だと思っていた。
1年生の頃からずっと。
私たちの代では歴史を塗り替えるような記録を残せる。低学年の時から試合で活躍する選手も多く、優秀な主務、スタッフ長もいて、それについてきてくれる沢山の後輩に恵まれたこの学年は、間違いなく特別な存在だと。
同期の皆はどう思っていたかわからないが、少なくとも私はそう信じていた。

しかし、4年の対抗戦の結果は6位。「入替戦に出場する」と大手を振るった目標と同等の結果には届かず、絶対に負けたくない試合にも勝つことができなかった。
今シーズン、試合終了のホイッスルが鳴るたびに嫌でも思わされた。私たちは奇跡を起こせるような、歴史に名を刻めるような、特別な存在ではなかったのだ。


人はいつ自分自身が特別でないことを知るのだろうか。
幼い頃は皆、野球選手や総理大臣といった途方もない夢を屈託無く語るが、いつかその夢は叶わないことを知り諦める。
少なくとも私は、大学に入ってもなお自分は特別だと思っていた。アイドルにはなれないしノーベル賞も獲れないかもしれないけど、何かを成し遂げられるような存在ではあると。思い返せば大きな失敗がない人生だった。

ラグビー部で過ごした4年間は楽しく充実したものであったと同時に、半分以上の時間は部活を辞めた方が良いのではないかと考えていた。元々人付き合いは得意ではないし、スタッフとして気を回すことも不得手な方だ。学科の勉強との両立も思うようにいかず、常に部活に迷惑をかけているという自覚もあった。
部活では失敗ばかりの4年間だったかもしれない。しかも最終学年として掲げた目標は達成できなかった。

そしてやっと、私は自分自身が特別でないことに気付くことができた。
この気付きは、ラグビー部での4年間で得た最大のものであると思う。

自分自身が特別でないという事実は残酷ではあるが、一方でポジティブにも捉えている。なぜなら私が特別ではないと同時に、私以外の人間も誰一人として特別ではないと思えているからだ。つい自分の失敗を他人や環境の所為にしてしまいたくなるし今まではそうやって言い訳したことも何度もあったけれど、誰も特別ではないからその人の努力量が結果として返ってくると認識することで、きちんと反省点を受け止められるような気持ちに変わってきている。

仲間に対する気持ちも変わった。
この4年間、ラグビー部の仲間は私にとっては眩しすぎた。皆、自分のなすべきことが分かっていて、やったことに対して評価がついてきているんだなと感じる場面も多かった。私にはそれがひどく特別なように見えて、自分は特別だという自認があるだけに劣等感に苛まれた。
でも、それは決して皆が特別なのではなく、各々が努力した分が正当に返ってきているのだと今更ながらに気付き、真摯に部活動に取り組む仲間を嫌味なく素直に尊敬できている。


目標を達成できなかったことはとても悔しい。やっぱり、目標は達成したかった。
けれど、目標を達成できなかったことも悪いことばかりじゃない。

そして、特別ではない私も悪くない。
特別ではないからこそ、何かを成すためにまっすぐな努力をしたい。

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1月6日

あの後、12月の試合は気持ちの良い結果に恵まれた。
選手ではないから勝手なことを言うようではあるが、目標が達成できなかったからこそ成長して生まれた試合結果であるような気もする。やっぱり、目標を達成できなかったことも、悪いことばかりじゃない。
特別ではなかった私たちだけど、とても良いチームだと心から思う。

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この4年間、ラグビー部では多くのことを学ばせていただきました。
特別ではないけど、やっぱり私の中では〈特別〉な同期、
とにかく頼もしく、時に親身に相談にものってくださった先輩方、
きっと次のチームも良いチームになるだろうなと予感させるカッコイイ後輩たち、
メディカル面では大変お世話になりました、尊敬する田崎先生、工藤さん、金井さん、飯塚さん、
熱い支援をいただいた監督、コーチ、OB・OGの皆様、
感謝いたします。本当にありがとうござました。

ここで学び得た気付きと学びは、必ず今後の人生で活かすと誓い、筆を置きます。


次は、私の中の不動のNo.8、原虎之介くんにバトンを渡します。
秋頃彼が脳震盪をした時に、記憶が曖昧なせいか理由を忘れ、その練習でBチームとしてプレーしていたことをひどく悔しがっていた姿に、彼のNo.8としての矜持を感じカッコイイと心底思いました。

思い出[ラグビー部リレー日記]

 written by 西山 鈴音投稿日時:2020/09/15(火) 17:30

3年プレーヤーの松本純輝からバトンを受け取りました4年スタッフの西山です。
昨秋シーズンは怪我で苦しい時期が続いた純輝ですが、今は元気にラグビーする姿を見せてくれるのがとても嬉しいです。今年は怪我に気をつけながら試合でたくさん活躍してくれることを期待しています。


先日、上智大学ラグビー部さんの対抗戦Bの対談企画に参加させていただきました。その際に印象に残っている試合についての話題があり、ふと自分の思い出の試合について記録を残しておきたくなりましたので、このリレー日記の場を借りて書き留めます。
(上智大学さんとの対談企画は上智大学ラグビー部公式YouTubeにアーカイブが残っていますのでよろしければご覧下さい)

東大ラグビー部での試合は全て印象的でひとつひとつが忘れがたいものですが、特に思い出深い試合が2つあります。

1つ目は、新入生の頃入部前に見学した2017年4月の早稲田戦です。
間近でラグビーを観戦したのはこの早稲田戦が初めてで、試合内容は殆ど分からなかったけれどラグビーってかっこいい、このスポーツに関わってみたい、と入部を決めたきっかけになりました。当時この試合を同期の倉上くん、松井くん、小田くんと見学し、ラグビー経験者であった倉上くんが親切にラグビーのイロハを解説してくれたのも、こんな仲間がいるなら良い4年間になるに違いないと入部の後押しをしたように思います。
2017年に限らず、2018年は早稲田大学から2トライを奪う展開に胸が踊り、2019年は記録的大敗を喫し実力差を改めて感じさせられ、早稲田戦は毎年印象に残っています。(個人的に早稲田大学ラグビー部のファンであるというのもありますが…。) そのためラストイヤーである今年早稲田戦が開催できなかったことはとても残念です。

2つ目は、2年生の対抗戦初戦であった2018年9月の明治学院大学戦です。
前年惨敗した相手に、前半を11-10と東大がリードした試合でした。結果として勝利とはなりませんでしたが、前にも後にも格上相手にあれほど全力で勝ちをもぎ取ろうとしていたチームの雰囲気はなかったように思います。試合終了の笛が鳴った瞬間にフィールド上の選手が膝をついて悔し涙を流す姿は今でも鮮明に思い出すことができます。
この試合を経験して、私の中に本気で「対抗戦Bで勝ち上がって昇格したい」という気持ちが生まれました。2018年の明治学院大学戦が今の私の原動力になっています。

今年は、新型ウィルスの影響により春シーズンの試合は全て中止(一部延期)になりました。本音を言ってしまえば、どうしてラストイヤーにこうなってしまったのか、というどこに向けて良いのか分からない負の感情はあります。それでも不幸中の幸いか、秋シーズンは例年とは異なる形とはいえいくつかの定期戦・対抗戦を行うことができます。きっと今年の試合も忘れられない印象に残るものとなるのだろう、どんな結果を残せるのだろう、ワクワクした気持ちも同時にあります。
東大ラグビー部で過ごした4年間の集大成となり、そして後輩に何かを残せるような試合ができるよう、スタッフとして残りのシーズンも精一杯励んでまいります。

次は、ゴタツこと2年プレーヤー後藤逹哉にバトンを渡します。
類稀なラグビーセンスと愛され後輩力の持ち主で、今年のチームの台風の目になるのではと個人的に予想をしています。

またみんなで集まるために[ラグビー部リレー日記]

 written by 西山 鈴音投稿日時:2020/05/02(土) 18:44

2年玉代勢くんからバトンをもらいました4年西山です。
玉代勢くんは、同じ都立高校出身の可愛い後輩であり、部内で「玉代勢って対抗戦Bで一番のSOだよなぁ」との声が上がる頼もしい後輩でもあります。またみんなが集まれるようになったら都立会をしましょう!


さて、堂々と意見を述べることが少し憚られますが、今考えていることの中心といえば専ら「コロナ」のことですので、あえてこの話題に触れてみようと思います。
あくまでも私個人の考えであり、所属団体とは一切関係ありませんのでご留意ください。


新型コロナウィルス COVID-19(コロナ)によって世界が大きく変容している。
私の生活範囲でも、授業はオンライン、友人とは久しく顔を合わせていない、バイトがなくなる、など影響は大きく、当然部活動も行っていない。

「人が集まること」は悪いことなのだろうか。
日本でコロナが流行し始めた2月末より、日々考えている。

浅学ながら建築学科の学生としては、「人が集まり交流が発生する=価値がある」と無意識的に認められた状況が当たり前ではなくなり、価値観の大きな変革が起きていると感じているし、学びの多い時期であると考えている。
ただ建築的な話はとても面白いのだが、今の状態では如何せん抽象度が高く私がお話しするには力不足である。

しかし、コロナの影響で発生した部活に対する思い、活動、というのは私にとっては現実味を持ってお話することができる。チームの学生メディカルとして対応にも追われましたので、他の部員に比べるとコロナに対して思うところはあるのかもしれません。

3月中旬まで、コロナが流行し始めたものの部活動は通常通り続いていた。
部としては感染症対策マニュアルを作成し部員に遵守をお願いしていた状況ではあったが、必ずしも全員が守ってくれているとは言えない状況だった。弊部のみならず、社会全体としてもまだコロナへの危機感が薄い時期だったので仕方ないとも思えるが、正直マスクをしていなかったり感染症症状があるのに部活動に来ようとする部員には非常に悩まされた。もちろん選手が可能なかぎり部活に来てラグビーをしたいと思うことは心から理解できる。選手もコロナが不安であったと思うが、練習があるなら来てしまう、来たくなってしまうのが選手なのだろう。だからこそ、できる限りラグビーをしたいという選手の思いを守るために、学生メディカルとしては全員が健康に活動できる状態を作り出す必要があると強く感じていたし、対策マニュアルが完遂できていないことがつらかった。
「部活=人が集まる=悪」という考えにも陥りそうになった。コロナが悪いのに、部活を悪く思ってしまいそうだった。
だから部の活動自粛が決定した時は、とても安心したことを覚えている。

私が不安だったのは「人が集まること」自体ではない。なすすべもなくコロナが広まる現状と、自分では思い通りに部員の健康管理を行えない不甲斐なさと焦燥感、だけど選手にはラグビーを続けて欲しいという思いが自分の中でバラバラだったことがたまらなく不安だった。
ただ、3月の活動では部員一人一人の「仲間が健康にチーム活動を続けること」への配慮がもっと必要であったと思うし、今後活動を再開した際も同様の配慮が必要であると強く感じる。現在運営再開指針(Return to Play)を作成中であるが、部員のみんなの協力と配慮を是非お願いしたい。
みんながまた元気に集まってラグビーができることを願ってやみません。

長文にお付き合いいただきありがとうございます。
今はいち早く新型コロナウィルスが収まりますよう、stay homeで自分のできることをしていきたいと思います。皆様におかれましても十分にお気をつけください。


次は、私が全幅の信頼を置いている2年スタッフのはるかちゃんにバトンを繋ぎます。
彼女の前向きで一生懸命な姿には、いつもやる気と元気をもらっています。本当にありがとう!

レガシー[ラグビー部リレー日記]

 written by 西山 鈴音投稿日時:2019/09/20(金) 08:30

杉井くんから光栄な紹介を預かりました3年スタッフの西山です。
杉井くんは合宿以後、スタッフと同じ練習開始30分前に集合し仕事を手伝ってくれているので、スタッフ一同感謝しかありません。いつもありがとう!早いプレー復帰を祈ります。

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2019年9月20日。ラグビーワールドカップ2019 日本大会の開催日。
ラグビー部員として、いちラグビーファンとして、この日が待ち遠しかった。この日にリレー日記を書けることを心から光栄に思う。

【レガシー legacy】
レガシー は「遺産」「先人の遺物」と訳される単語だが、スポーツ大会においてレガシーは「有形・無形問わず、大会をきっかけとし社会・地域・人々の心に残るもの」という意味合いで捉えられる。オリンピックをはじめとする主要なスポーツ大会においてレガシーの創出は使命とされている。
今回のラグビーワールドカップ2019 日本大会(以下RWC2019 日本大会)でも、ラグビー文化の普及促進のみならず、日本国内においては震災復興や地方創世への貢献、国外においては日本独自のラグビー文化”one for all, all for one””ノーサイド”の波及や国際的な取り組みによって世界の発展と平和に寄与することなどがレガシー創出のターゲットとなっている。実際にRWCのムーブメント最中にいる今、私自身、自分の住んでいる地域がラグビーで盛り上がってきていること、全くラグビーに関係のない人からRWCの話をされるようになるなどRWCの影響を感じることは多く、大会のターゲットとなるレガシーも良い形で残るのだろうと期待している。
このように、スポーツはもはや競技者とファンのためだけのものではなく、社会・地域・人々にも影響を与えるものに変化しつつある。

学生スポーツにおいてもレガシーは大事な概念であると思う。自分たちのチームの活動・プレーが、チーム外の人・環境またはチームの未来に影響を与えることは大いにありうる。
先日、対抗戦B交流会(シーズン前に所属校8校が交流する会)に参加させていただいた。その会の締めの言葉にて、東大ラグビー部の青山監督が「対抗戦Bは『善いラグビー』をしよう。強ければいい、勝てばいい、のみではなくグラウンド内外において『善いラグビー』をすることが対抗戦Bの使命だ」と仰った。
私はこの『善いラグビー』こそが対抗戦Bリーグ所属校としてのレガシーだと強く感じる。対抗戦Bにて『善いラグビー』が実行されモデルケースとなれば間違いなく他リーグにもそのレガシーが波及し、大学ラグビー全体で『善いラグビー』が実行されれば他スポーツにも『善い』レガシーは広がる。たかが学生スポーツかもしれないし、テレビで試合が放映されるようなリーグではないが、それでも対抗戦Bは大きな力を持っていると確信している。

2日後には対抗戦Bリーグ第2節がある。
勝敗にもこだわるし、勝ちたい気持ちは十二分にある。ただ先ずは、プレーヤー・スタッフ共々対抗戦Bの名に恥じない『善いラグビー』をしたい。
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駄文をお読みいただきありがとうございました。
ラグビーワールドカップの応援も勿論ですが、ぜひ対抗戦Bリーグの応援も重ねてお願いします!!日本のラグビーを盛り上げましょう!

次は、今年度全試合スタメンで出場し活躍する2年垣内くんにバトンを渡します。入部時から”推し”の垣内くんの紹介に緊張して平凡な紹介になってしまいました。

コンテクストを読み解く[ラグビー部リレー日記]

 written by 西山 鈴音投稿日時:2019/06/06(木) 23:00

後輩を愛し後輩に愛される副将 河合さんからバトンを受け取りました、3年にスタッフの西山です。河合さんのプレー復帰、心待ちにしています。
さて、紹介にもいただいた通り、私は今春より建築学科へ進学し日夜設計とにらめっこする生活を送っております。つい先日、怒涛の設計課題を提出し終えたばかりですので、少しばかり建築について書かせていただきます。(ちゃんとラグビーの話もします)


今回の設計課題のテーマは「渋谷の街の流れの中にある美術館」、渋谷という場所に相応しい美術館を求められた。この中でキーワードとなったのが、”コンテクスト”すなわち”文脈”である。
その場、その時代に相応しい建築を設計するためには、コンテクストを読み解釈することが必要となる。コンテクストとは、対象の環境、歴史的文化的背景のことであり、読み取ったコンテクストを自分なりに解釈し、空間で生じるアクティビティや意味性を考えることを「コンテクストを読み解く」という(と私は理解している)。
場のコンテクストから思考の端を発し、自分の解釈を加えそれをカタチとしていくことで、設計されたカタチが単なるカタチではなく、その場にある意味性必然性を生むと思っている。

この「コンテクストを読み解く」行為は、価値生成を行う際、あらゆるシーンにおいて有効な手続きだと考える。


ここで私の所属している東大ラグビー部について考えてみる。

東大ラグビー部のコンテクストはなんだろうか。
単なるラグビー部ではない、東大ラグビー部としての存在意義はなんだろうか。

ある人はラグビー部である理由としてこんなことを思うかもしれない。
「強くなりたいから」
「勝ちたいから」
ラグビー部である者、競技スポーツをする者として、当然の感情である。
しかしながら、この感情のみで東大ラグビー部に所属しているのであれば、これは東大ラグビー部のコンテクストを無視していると言えるのではないかと思う。
我々は勝つためだけにラグビーをしているわけではない。

「東大ラグビー部は、大学ラグビーの象徴たる存在である」

これは、私なりに東大ラグビー部のコンテクストを読み解釈した今のところの結論である。
日本ラグビー黎明期である1921年に東大ラグビー部が創設されてから、数々のOB様方が大学ラグビーを広めるため、東大ラグビー部をよりよい組織にするため情熱を燃やされ、東大ラグビー部は大学ラグビー界で特定の地位を築いてきた。創部から98年経った今でも東大ラグビー部の注目度は高い。我々が強豪校に勝てば、ネットの2ch掲示板「対抗戦Bを語ろう」が湧く。これは東大が弱小校だから強豪校に勝つと話題になるのか。否、東大が強豪校に勝つから、話題になるのだ。
スポーツ推薦ではない、勉強を武器に大学に入学し、以前からラグビーをしていた者と大学に入ってからラグビーに出会った者とが同じ環境で練習をする。在学中は勉強しながらも日夜ラグビーに打ち込み、卒業後は殆どの者がラグビーから離れた生活を送る。
大学生という人生におけるほんの短い4年間で、全力でラグビーと向き合う。
刹那性の中に命を燃やすからこそ、大学ラグビーは美しく輝く。
東大ラグビー部ほど、大学ラグビーを体現するに相応しい組織はない。

大学ラグビーに求められるものは「プレー的強さ」だけではないと私は思う。ラグビーの規律、相手を敬う心、正直に競技と向き合う心、といった「美しい精神性」も求められている。大学ラグビーを象徴する組織として、我々東大ラグビー部は、ラグビーに向き合う精神性はどのチームにも誇れるようでならなければならない。
さあ現状はどうだろうか。

忘れもしない5月5日の早稲田戦。
スコア的な大敗もさることながら、私は東大陣のテントの汚さにも絶望していた。テントの中にはプレーヤーの荷物が散乱し、どこに誰のものがあるのかわからない。部の荷物すら探すのに一苦労した。挙げ句の果てに、プレーヤーの1人が部の公式のハーフパンツを地面に置いたまま忘れた(そもそも直接地面に置くことが考えられない)。
隣のテントに目をやる。そこには美しく整頓された部の荷物と、アカクロの替えジャージ。
「負けた」と思った。

日常を思い出す。毎日の朝練の前。
部室前の水道でドリンクを作っているとプレーヤーがやってくる。彼らに挨拶をする。返ってくる返事は60-70%程度だろうか。

精神性など目に見えないと思う人もいるかもしれない。それでも私は、精神性は必ず表層に現れてくると思っている。

いま東大ラグビー部は負け込んでいる。
正直、プレーヤー、スタッフ共に焦っている人は多いのではないか。その分、ミーティングや練習にも緊張感が走る。皆、「強さ」「勝ち」を渇望している。
皆、焦りすぎてはいないか。
焦りのあまり、大事なことを忘れてはないないか。
我々は、東大ラグビー部である。
ラグビー部ではない。

東大ラグビー部のコンテクストを今一度再確認し、我々が為すべきことを再構築してみてもよい時期なのかもしれない。
我々の行動は、我々が生み出す価値は、大学ラグビーを変える力を持っているのだから。



大変な長文になってしまいました。最後までお読みくださりありがとうございます。
上記はあくまで私個人の考えであり、部としての見解ではございませんので、ご留意ください。

また、文中で勝ちが全てではないと記しましたが、勿論東大ラグビー部には強くなって勝ってほしいとも思っています!!そのために私にできるサポート、全力でさせていただきます。


次は、3年生3人、1年生8人と大所帯になったスタッフ組織を1人でまとめ支えてくださる、4年スタッフのあやのさんにバトンを渡します。いつもありがとうございます!

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