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Wonderwall[ラグビー部リレー日記]

 written by 國枝 健投稿日時:2022/12/23(金) 16:10

副将の松元からバトンを受け取りました。主将の國枝です。
相手を青天させるタックル、吹き飛ばすキャリー。真のラガーマンである彼のことを本当に尊敬しています。チームのために時には嫌われ役を買って出てくれたし、最後までFWをまとめあげてくれました。そして何より、試合で誰よりも身体を張ってくれました。彼の不器用なみんなへの愛が僕は好きでした。
このチームがあるのも本当に松元のおかげです。
本当に1年間ありがとう。お疲れさま。

今年の自分はシーズンに入る前に、個人的なテーマを何個か設定した。
そのうちの一つが、
「自分が誰よりもプレイヤーとして成長すること」である。
これは、チームが勝つために、主将としてあるために、そして自分が自分であるためにも、シーズンに入る前に自分自身で掲げたテーマであった。
春のBBC期間の練習は誰よりもタフで強くなってやろうという気持ちで全ての練習に臨むことができた。
ただ、シーズンが進み、グランドの内外を問わず、チーム全体としての課題や問題が出てくる中で、だんだんと意識がそちらの方に流れていった。夏の合宿期は怪我でDLにいたこともあり、チームが一つになるためにどうしたらいいか、というある意味、公の部分だけに集中していた。
また、対抗戦期間は、(特に一橋戦以降は)チームが勝つために、
B3として何が求められるのか、一発勝負のトーナメント(だと思って試合に臨んだ)において堅い試合運びをするためにどんなプレーをするべきなのかを考え、そのために練習を考え、絞り、実行した。プレイヤーとしての安定感を追求した。試合に臨む時は、このプレー(キック処理、ペナのタッチキック、ウイングとしてのDF、など)だけは絶対に俺に任せろということを強く意識して、覚悟を持って望んだ。武蔵、成蹊、明学戦では、自分に求められた最低限の責務は果たすことができたと思う。また、その練習、試合を経て、成長した部分は多くあり、自分はあの状況において、その時できるベストを尽くしたと思う。

ただ、学習院戦の自分のプレーは、今シーズンワーストだった。チャンスで2本もノッコンをした。自分が前半の東大のモメンタムを殺してしまった。雨を想定してゲームプランを練っていたこと、半年ぶりのフルバックだったこともあるが、自分がフルバックとしてボールを持って切りに行くという練習とイメージの準備、そして覚悟が甘かった。2回ノッコンをしてから、ボールをもらいにいく積極性を失った。最低のパフォーマンスだった。

学習院戦後の最初の練習(コルツ練習)での最後のトークで、大西さんがコルツの選手たちだけに向けて5分ほど話をした。
A戦に出たいという動機や、今の東大の選手の中の尺度で、自分の目指すべきプレイヤー像を決めるな。志を高く持て。オールブラックスでもワラビーズでも、トップレベルの選手のプレーを目標として、そこに絶対に到達できると信じて日々成長しろ。チャンスを貰ったら失敗を恐れずチャレンジしろ。1番目立つプレイヤーになれ。
簡単に言えばこのような内容であった。

その話を、輪の外の少し離れたところから聞いていた自分には刺さるものがあった。
対抗戦、責任感、安定感、堅さ、目の前の試合に勝つために自分は何が必要か。対抗戦期間中はそういう思考だった。その思考自体は、あの時あの状況、おいては間違っていなかったのだろうと思う。
ただ、大西さんの話を聞いて、いつのまにか自分の視座が低くなっていたことに気づいた。
その時に、改めて、自分が1番成長する、というテーマに立ち変えろうと決心した。ここに来てフルバックを自分がやることになったのも巡り合わせだと思った。残り1ヶ月、本当に誰よりも成長してやろうと決めた。
最後の1ヶ月は本当に楽しかった。対抗戦が終わり、肩の荷が少し降りたこともあるのかもしれないが、本当の意味でラグビーに没頭できた。前を見て勝負し続けることができた。最後の1ヶ月だというのに、4年間で1番成長できた1ヶ月だったと思う。周りの目にどう映ったかは分からないが、名古屋戦は個人としては今シーズン最も納得のいくパフォーマンスができた。
京大戦、残された最後の80分も、最後の最後まで自分らしい最高のプレーをしたい。後輩には、その背中を見てほしい。最後まで前を見て進み続ける自分を見てほしい。主将としても、1人の東大ラガーマンとしても。


対抗戦B全勝、入替戦出場を目標として設定し、駆け抜けた1年間。
結果は43敗。去年より成長を見せたものの、結果は43敗の3位。
一橋戦の屈辱的敗北。成蹊戦の最後の16分。完全に崩れた明学戦。今思い返しても、悔しいことばかりだ。自分の采配は正しかったのか、試合前週に緩んでいた選手に気づけたのではないか、シーズンを通してもっと全員のマインドフルネスを高める声がけができたのではないか。結果の責任は全て主将の自分にあるし、後悔は尽きない。
入替戦で全てを出し尽くし、勝利し、魂を震わせていた成蹊の15人を見て、その姿に感動し、そして、改めて心の底から悔しかった。入替戦のグラウンドに立ちたかったし、やっぱり、どうしても成蹊と明学に勝ちたかった。
勝利を本気で目指したここまでの仲間との日々、成長は確かに自分たちの財産となるだろう。でも、やはり、成蹊に勝っていたら、入替戦に出ていたら、絶対に人生は変わっていた。それは揺るがないし、取り返すこともできない。おそらく、一生の心残りになるのだろう。
後輩のみんなに夢を託す形になってしまって本当に申し訳ないが、みんななら絶対にできると確信している。自分を信じて、仲間を信じて、絶対に目標を達成してほしいと強く思う。



最後に、この場を借りてお世話になった方々に感謝を述べさせていただこうと思います。

大西さん。
進むべき道を迷ってしまった時、大西さんのあつさと真っ直ぐさに、僕自身が導かれていたと思います。未熟な僕たちをここまで心から信じてくださり、ご指導いただき、本当にありがとうございました。大西さんと歩ませていただいたこの1年間を一生大切にします。

青山先生、深津さんをはじめとした、監督、コーチ陣の方々。
主将としてどうあるべきか、チームをどう動かすべきか、様々な相談に乗っていただきました。部員の見えないところでも、本当に沢山のお力添えをいただきました。このご恩は、卒部後、OBとして微力ながら、返させていただこうと思います。

垣内さん。
心から尊敬しています。垣内さんなくしてこのチームはありませんでした。垣内さんとプレーできたことを一生、誇りに思います。

1年生。
個性の強いみんなが好きです。コルツ戦でのみんなの成長には本当に感動しました。来年は対抗戦で暴れまくってください。
猿渡、ラグビーやめんなよ。

2年生。
東大ラグビー部の歴史を変えるキーマンは2年生のみんなだと信じてます。本当に素敵な代だなっていつも思ってる。みんなとラグビーして、馬鹿話するのが本当に楽しかった。こんな俺と仲良くしてくれてありがとう。

3年生。
同期みたいなもんだと勝手に思ってました。西久保と安富が逞しくて、もう、なにも言うことがないな。最後の1年、最高の1年にして欲しい。3年間、本当にありがとう。

同期のみんな。
俺を信じてついてきてくれてありがとう。全てが終わったら、また語り合おう。
そして、これから先の人生もよろしく頼む。

両親。
2人の理解とサポートのおかげでここまでラグビー部に没頭することができました。素敵な仲間とかけがえのない時間を過ごすことができました。いつもは面と向かって言えないので、ここで言わせてください。
本当にありがとう。

他にも、ここに書ききれないくらいのたくさんの方にお世話になりました。本当に感謝しています。ありがとうございました。


最後の最後に、、、
最後の京大戦を前にして思うことは、やはりラグビーは最高のスポーツである、ということだ。ラグビーというスポーツの魅力については何度かリレー日記を通じて書いてきた。が、最後にもう一度だけいいたい。

ここまで魂が震えるスポーツはない。こんなに仲間と、心を、魂を通わせることのできるスポーツはない。
今シーズン、この仲間と最後の80分。

ラグビーに没頭して、仲間と魂を通わせて、死闘を制そう。

主将 國枝健

興奮よりも速く、強く[ラグビー部リレー日記]

 written by 國枝 健投稿日時:2022/10/05(水) 19:00

天才りさちゃんからバトンを受け取りました、4年の國枝です。
りさちゃんは、同期がジムでトレーニングしている時間、横にあるランニングマシーンで走りこみをするほどストイックで同期愛が強いスタッフです。いつも丁寧に仕事をしてくれていて、いちプレイヤーとして本当に頭が上がりません。いつもありがとうございます。

ラグビーのプレーの中で何をしている時が一番好きか。
部員と面談をする時によく聞いていた質問であるが、自分に問うとなると案外悩ましい質問である。
1年生の時に初めて新歓練習でラグビーをした時は、ボールを持って全力で走る、という本当にシンプルなプレーが最高に楽しくて、直感的に「このスポーツをやりたい」「これしかない」と感じて入部を決めた。
2年生の時もランプレーが一番好きだったように思う。ただ、他の選手と比較して自分が最も自信が持てるプレーはキックであり、飛距離が出て精度が高くなるにつれてキックもランプレーと同じくらい好きになっていったような気がする。

では、今はどうか。
もちろんランプレーもキックも好きではある。
けれども、一番好きなのは、というより最も魂が震えるのはタックルである。
決してタックルが得意なわけではない。むしろ、1.2年生の時はとても苦手だった。
ただ、身体が強くなり、コンタクト練習を重ねていくにつれて、徐々にコンタクトが楽しくなってきた。その中で、タックルで相手を芯で捉えて、仰向けにひっくり返す時の快感、興奮を覚えた。
ただ、試合の中で本当に気持ちのいいタックルができたのは、今年の九大戦の一回限りである。思いっきり走りこんできた相手のBKを芯で捉えて、仰向けにひっくり返した時の身体の衝撃と興奮は言葉では言い表せない。相手はその後、みぞおちでしばらく苦しんでいたが、これが大西さんのいうDominationなのだと、これがラグビーなのだと、自分の体、感覚を通して理解できた瞬間であった。

少し話が変わるが、僕の父親は僕と同じく大学でラグビーを始め、4年間ラグビーに没頭し、社会人になっても数年間、会社のチームでラグビーを続けたらしい。
父親は基本的に仕事人間で僕が小中学生の時はあまり家にいなかったが、家にいる時は大抵の場合、ラグビーを観ていた。
また、秋になると母校である一橋のラグビー部の試合観戦によく出かけに行き、僕自身も小学生のころ、訳も分からないまま父にグラウンドにつれていかれた記憶がある。
僕の知る限り、仕事と家族以外で、ラグビーは父の唯一の生きがいである。
そんな父は、昔から、家族でラグビーを見る際に必ず、「ラグビーはタックルだ」と言っていた。

一年生の頃から、先輩のプレーを見ていて一番かっこいいと思うのは、心が震えるのは強烈なタックルであったし、そういう意味では父の言葉は半分くらい理解できていた気がするが、最近になって、頭ではなくて、体で、魂で、その言葉の真の意味がわかってきたような気がする。

気づけば、対抗戦はすでに2試合終わっており、今週の日曜日は一橋戦である。
とにかく、1つ1つのプレーに集中して、1つ1つのタックルに全身全霊をかけて、血が滾るような試合がしたい。そして勝つ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次は、2年スタッフのりんちゃんにバトンを渡します。
先日、弛まね努力の結果、遂にB級レフリーの資格を獲得したりんちゃんは、いつもレフリーとして僕たちプレイヤーをサポートしてくれています。また、レフリーだけではなくてメディカルや広報の仕事までこなしてくれていて、本当に頼りになるスタッフです。
今度、オススメのグルメ、教えてください。
 

俺らは今なんだよ!![ラグビー部リレー日記]

 written by 國枝 健投稿日時:2022/05/21(土) 20:02

田村からバトンを受けとりました。4年の國枝です。
怪我をしても、大好きなラグビーのために前向きにトレーニングに励む田村に、DL期間中、僕の方こそ何度も救われました。ありがとう。今シーズン残り半年間、辛いこともたくさんあると思うけど、これからも一緒に頑張ろう。

 

シーズンが始まってから気がつけばもう4ヶ月近く経つ。本当にあっという間だった。だから、対抗戦初戦まで残り4ヶ月しかないと思うと少し怖くなる。本当に一日一日が無駄にできない。

 

最近、正直なところ、焦りを覚えている。焦りというか歯痒さだろうか。

春休みの2ヶ月間は個のフィジカルとコンタクトにフォーカスをあててみっちりと練習を重ねた。ハードな全体練習のあとも全体アフター→ユニット→ポジショナルスキル練という流れで、ユニットや個人単位で積極的に自主練を行う姿がよくみられ、確実に実りある日々を過ごしている実感があった。

 

しかし、4月からは今までオンラインだった授業が対面となったことで、なかなか全員が集まって練習する時間が取れなくなった。火水の練習に人が集まらず、アフターも人が少なく、思うように練習できないというもどかしい日々が続いている。

全部オンライン授業に戻らないかなとか、何かの手違いで駒場にラグビー部の寮が建たないかな、とか、本気で思ったりする。

そんなことを言っても仕方がないのはわかっているのだが。
 

この状況で出来ることは限られている。

当たり前のことだが、一回一回の練習で死ぬ気で成長するしかない。そして、全体練習後の時間も自分の成長のために1秒も無駄にしないことだ。

 

もっとメリハリつけようぜ。と最近はアフターの時間、みんな対して思う。自分のやるべき練習を全て終えるまでは、もっと自分にフォーカスしよう、集中しようよ、と。去年の垣内さんみたいに責任と覚悟をもって個人練習を重ねるやつが1人でも2人でも出てきたら、絶対に試合の結果は変わってくるはずだ。逆に、自分のすべきことをほったらかしにしておしゃべりに勤んでるような奴が試合にでてるようなチームは絶対に勝てない。

全ての練習が終わったら、スイッチをオフにして仲間と楽しく喋ればいい。それまでは、スイッチをオンにし続けよう。プレイヤーとしての自分の時間をもっと大切にしよう。俺は今後、絶対にそういう選手であり続ける。そして、みんなにもそれを要求する。

 

あとは、勝とう。勝つしかない。

まずは都立大学。

死ぬ気で勝ちに行くしかない。

俺は練習から100でいく。

 

4年生、本当にここで変わろう。

ここが本当に最後のチャンスだと思う。

練習から一人一人がぶちあげよう。

4年の意地を見せよう。

 

 

次はりんちゃんにバトンを渡したいと思います。練習が終わった後、5号館でラグビーの試合を1人で黙々と分析しているりんちゃんをみると本当に身の引き締まる思いがします。こんなに純粋にラグビーを好きでいてくれて、チームのために貢献してくれるスタッフがいることは本当に幸せです。りんちゃんのためにも次の試合は絶対勝ちます。

原動力[ラグビー部リレー日記]

 written by 國枝 健投稿日時:2021/08/17(火) 19:00

一年スタッフの森田こと、もりぞーからバトンを貰いました。3年の國枝です。
もりぞーは、部室の二階とかケビンを綺麗に整理してくれるなど、周囲に気を配ることのできるスタッフです。また、プライベートでラグビー観戦にもいくみたいで、ラグビーが好きなスタッフが入部してくれるのはとても嬉しいです。今度、スモブラに遊びにいかせてください。

5月8日に右足首の怪我をした。
病院に行ったら捻挫(靭帯損傷)の2度と診断された。
3週間くらいで復帰できるよと言われた時は、痛みの割には復帰までの期間が短く思えたから嬉しかった。
でも、3週間経っても痛みが取れなかった。
流石におかしいなと思って、セカンドオピニオンに行った。

レントゲンを撮った結果、捻挫と一緒に剥離骨折もしていたことがわかった。
田崎先生に回復の仕方によっては、手術もあり得る、手術した場合は3ヶ月復帰にかかる、と言われた。
すでに怪我から一ヶ月。ここからさらに三ヶ月。合わせて四ヶ月の離脱。しかも、復帰できるのは9月頭で、夏の練習にも出れない。そう考えたら、マジで目の前が真っ暗になった。

今年は、とにかく春シーズンからスタメンをとる。そしてたくさん試合に出て経験を積む。そして自信を持って対抗戦に臨む。と意気込んでいた1月2月の自分が嘘のように、暗い気持ちになった。

次の診察では、とりあえず、手術はしないで、このまま経過を見ていこうと言われた。
7月下旬頃には復帰できるんじゃないかと言われた。

この三ヶ月間、結構、しんどかった。ラグビーもできない。学部もオンラインで全く楽しくない。コロナだから友達と遊んでストレス発散することもできない。コロナだから女の子と遊びにも行けない。いや、そもそも遊ぶ女の子がいない。マジで俺大学三年生なのに何やってんだろ、なんでこんなつまんない毎日過ごしてんだろって、冷静になると思ってしまう。
そういう意味ではDLでのトレーニングと、筋トレをしている時はそういうことを考えずにいられたからよかった。筋トレは何も考えずに、一生懸命になれるから高校生の時から好きだった。頑張っただけ目に見えて成果が出るのも筋トレの素晴らしいところだ。
トレーニングは好きだし、今がつまらないのは、辛いのは、ラグビーのせいではなくて、ラグビーをできていないから、というのは分かっていたから部を辞めたいとは思わなかったけれど、もし、手術になって、今シーズンプレーできなかったら?復帰しても怪我の影響でキックが蹴れなかったら?以前のように思い切りプレーできなかったら?と不安は考えだすとキリがなかった。同期や後輩が試合で活躍するのを見ているしかないのは悔しかったし、来年最高学年になる自分の立ち位置とかを考えるとすごいプレッシャーだった。だから、先のことはあまり考えないようにした。

ただ、この三ヶ月は無為ではなかった。もちろん、この三ヶ月、怪我をせずにラグビーをしていた方が何十倍も有意義であったことは間違いないけれども、それでも、フィジカルの強化を中心に、着実に前に進むことはできた。この三ヶ月のDL期間に関しては、本当に後悔がないし、やりきったと思う。そこには自信がある。
でも、それは、自分の力だけでできたことではない。本当にこの三ヶ月はDLを中心に部員に助けられた。

まず、廣瀬。
廣瀬は5月の下旬に怪我をした。
前十字靭帯断裂と半月板損傷。俺より全然重い怪我。
流石の廣瀬もかなり落ち込んでいて、何か励ます声をかけたかったけど、怪我したし俺らも彼女作るしかないな、みたいなしょうもない冗談しか言えなかったことを後悔している。ごめん。
DLのトレーニングやリハビリは、大量にメニューが渡されるから、練習時間内に全てやるのは無理で、全体練習が終わると、その後どれくらいサブグラに残ってリハビリをやるかは各自に任せられてる。だから、全体練習が終わるとさっさとリハビリを切り上げて帰る人も結構いる。
廣瀬は、怪我から3週間後の6月の中旬に手術が決まっていた。もし自分が廣瀬だったら、手術前は、どうせ手術するんだし、と思って適当にリハビリを切り上げていたと思う。だけど、廣瀬は、アフター練習も終わり、他の人が全員帰った後もニーベントウォークでグラウンドを周回するキツイメニューを黙々と続けていた。それを見て、あ、廣瀬は、練習時間をどう潰すかとかそういう考えじゃなくて、今日自分ができるベストを尽くそうとしてるんだな、って思った。
それを見て、その日から、DLのトレーニングに対する向き合い方が変わった。全体練習中はトレーニングに集中して誰よりも成長してやる、と思って毎回の練習に臨んだし、時間の許す限り、サブグラに残って、リハビリを頑張ろうと決めた。そのおかげで、課題だった下肢の筋力をかなり強化することができた。
それだけじゃなく、廣瀬は、朝早く来て、用具を準備してくれるし、用具の片付けも率先してやってくれる。模範的なDLだと思う。
廣瀬ありがとう。

それから、魚住さん。
魚住さんとはずっと一緒にDLにいた。
魚住さんは、弱音を吐くことが多いけど、なんだかんだ、こっちが提案した追加のメニューにも付き合ってくれるし、最後までチアアップしてくれる。魚住さんとトレーニングするのが楽しかったし、グラウンド外でもいじられキャラとして、散々、和ませてくれた。
魚住さんのおかげでポジティブな気持ちで練習に来れました、本当にありがとうございます。
一緒にスイカ来て対抗戦出たいです。

そして、垣内さん。
垣内さんは、DLじゃないのに、一番、声をかけてくれた。
大丈夫か、とか、焦んなよ、とか無理すんなよ、とか、顔をあわせるごとに言ってくれた。
心配してもらうことは、プレッシャーにもなったけど、素直に嬉しかった。
それから、全体練習後、毎回誰よりも遅くまで残ってアフターに励む垣内さんを見て、俺もリハビリ頑張ろう、と思えた。
慶應戦での垣内さんのキック、マジでかっこよかったです。
(慶應のベンチからも、あの9番上手いな、と声が出ていて、誇らしかったです。)
垣内さんみたいにアフター練習真剣に取り組みます。

それから、西久保。
西久保は俺の一ヶ月後くらいに俺と全く同じ怪我でDLに入ってきた。
最初は、キツイトレーニングの時、すぐ辛そうな声出すし、なんか演技くさいし、メンタル弱いなーと思った。体格の割にはウエイトも強くないし。でも、ラグビーめちゃくちゃ上手いし、めっちゃいい奴だし、2年生以下を引っ張っていく存在になって欲しいなと思っていたから、トレーニングで追い込んで、西久保のメンタルを強化しようと思っていた。
結果、成長しすぎて、モンスターが生まれてしまった。
DLに入ってきてから一ヶ月くらい経った日に、「なんか、最近、トレーニングがめちゃくちゃ楽しんですよね」と西久保が口にしたときは、めちゃくちゃ嬉しかったけど、この前、エルゴ2kを2セットやってるのを見たときは流石にストイックすぎてひいてしまった。
7月になると、西久保も毎日のように、全体解散後、1時間とか、長い日には2時間とか残ってリハビリをしていた。俺より全然頑張ってた。他の人の目とか気にせず黙々とやってるところ、マジでかっこいいなと思って見てた。
西久保を見ていると、ラグビーが本当に好きなんだなと思う。結局それが一番強いんだなと思う。
西久保、いろいろ話し相手になってくれたりしてありがとう。ラグビーの面で西久保に追いつけるように頑張ります。

他にも、
自分から進んでキツイwodをしようとする田村とか、
授業課題で忙しいのに毎回cc来てくれる彬とか太田さんとか、
ウエイトの後、グラウンドの端で残ってパス練してる平川と一木を見かけた時とか、
同期がダウンしてないのをちゃんと注意してたり、練習後に落ちてるゴミ拾ってくれる本多とか、
アフターで苦手なコンタクトの練習、人一倍頑張ってる池田とか
目ギラギラさせて積極的に練習してる、寿太郎とかスバルとか

挙げたらキリがないけど、いろんな人の言動がこの三ヶ月の自分の原動力になった。

先週、ようやく復帰することができたけれども、まだまだダメ。
今日の練習も本当に酷すぎて、自分でも情けなかった。
一年生の方が全然いい動きをしていたと思う。

対抗戦まで、もう本当に時間がないので、これからの練習でもっとアピールしていきたい。
この強化集中練習で信頼を得たい。
もっと強くなりたい。
対抗戦で勝ちたい。
明日からまた頑張ります。


次は四年生のイシケンさんこと石田先輩にバトンを渡します。
最高学年になって、ますます頼もしくなられたなと、最近よく思います。
今日のウエイトの時、腕太すぎて、思わず見入ってしまいました。
早くイシケンさんにつかえる後輩認定されたいです。

「見え透いたフォームの絶望で」[ラグビー部リレー日記]

 written by 國枝 健投稿日時:2021/04/17(土) 21:09

(タイトルは、ASIAN KUNGーFU GENERATIONの「君という花」という曲の歌詞からの引用です。)

前川からバトンをもらいました國枝です。彼の関西弁を持ってすれば誰とでも仲良くなれるんじゃないかと僕なんかは思うんですが、世の中そんなに甘くはないのでしょうか。
僕も高校生の時は人と語り合うような趣味がなかったのですが、皮肉なことに昨年のコロナウイルスの自粛期間で、趣味の幅が広がったような気がします。

コロナのおかげで増えた趣味の1つに読書があります。
最近だと小説をよく読みます。
少し前だと、伊坂幸太郎さん、今は中村文則さんの小説にはまっています。

思えば、小学校高学年の頃の私は、読書が大好きな子供でした。
放課後は毎日、公園や団地で鬼ごっこやドロケイをして、門限の6時に家に帰り、その後は、学校の図書館で借りた本を貪るようにして読んでいたように思います。
僕らシリーズや、都会のトムソーヤ、ハリーポッターなどの小説を誰に言われるでもなく、夢中で読み耽っていました。それらの本を開いたときの匂いは、今も鮮明に思い出せます。

しかし、中学校に入り、スマホを持つようになってからは、めっきり本を読まなくなってしまいました。たまに、「本を読まなくては」という謎の義務感に駆られて、少し背伸びをして文豪と呼ばれる人たちの本を手に取るのだけれど、全く続かない。というようなことがしばしばありました。読んでいても、「あと何ページあるんだろ」「早く読み終わりたい」というようなことばかり考えていて、全く内容が頭に入っておらず、読後に何も残らない、そんな読書ばかりでした。

昨年の今頃の自粛期間は、授業も少なく、部活もないというような状況で、時間が有り余っていましたから、私は自然と自分の部屋の本棚から昔読んで面白かった小説を手に取り、ベッドで読むようになりました。そこで、久しぶりに、途中で他の娯楽に浮気せずに、熱中して1つの作品を読み切る楽しさを再確認することができました。気づけば、一年以上経った今も、読書の習慣は続いています。

そういえば、一昨日、突然思い立って、部屋の片付けをしました。私は基本的にずぼらな人間なので、私の机の上にはプリントや教材などが雑然と置かれています。しかし、私は、ときたまに、衝動的に、それらを整理したくなることがあり、その時は、机の上だけでなく、本棚や部屋のクローゼットに至るまで、部屋中の整理を夢中ではじめます。片付けが終わると、とても晴れやかな気持ちになります。

しかし、人にいわれてする片付けはとても苦手です。中学生の時は、定期的に母親が机の上の整理をしなさいと言ってきて、それに対してブツブツ文句を言いながら、嫌々片付けをしていました。そのような片付けの後は、終わった後も、達成感や爽快感ではなく、イライラだけが残ります。


もう一つ。私は高校一年生の時、数学と英語の塾に通っていました。どちらも、週に一回ですが、宿題がとても多く、部活生の私にとっては、かなりの負担でした。部活の後に塾があって、宿題が終わっていない、というような時は、部活の前から憂鬱で、部活中も、気分が乗り切らないということもよくありましたし、宿題を終わらせることが目的になって、深く理解しないまま、その場しのぎの勉強になってしまうこともしばしばでした。とにかく塾に行く日が憂鬱で、その前日も、残りの宿題の量を考えると憂鬱になります。それが週に2セットあるわけですから、週の半分くらい憂鬱なわけです。結局、学年の後半になると、数学の塾の宿題は全くやらなくなってしまい、ただお金と時間を浪費しながら、惰性で塾に通うような状況でした。成績もそれはひどいものでした。

このままではいけない、というか、単にその塾に通うのが嫌で、私は学年が切り替わるタイミングでその塾を辞めることにしました。それから、私は、とある映像授業の塾に入り、講座はほとんど取らずに、そこを自習室がわりにして、市販の教材を使って自分で勉強することにしました。それは私にとっては革命でした。あれだけ嫌いだった「宿題」がなくなったのに、私の勉強量は格段に増えました。週に2回でさえ行くのが億劫だった塾に、私は、毎日通うようになりました。自分で逆算して計画を立て、自分がしたいと思った勉強をする。これだ、と私は心の底から思いました。それからは、部活に100%集中できるようになり、部活が終わった後も、毎日、塾に行くのが楽しみで仕方ありませんでした。おかげで、その後の高校生活はストレスなく充実した日々を送ることができました。

人に命令されて行動を起こすのも、自分から行動を起こすのも、行動を起こす、という意味では同じですが、その質、結果、エネルギーは、全く変わってくるように思います。このようなことは誰しも経験したことがあることだと思います。

今、私を含め、この部活に足りないのは、まさにこの部分ではないでしょうか。その場その場でコーチに教わった練習をして、アドバイスを受けて改善して、コーチに評価を求める。それは、ある意味、とても楽なやり方です。しかし、やはり、それを繰り返すだけでは楽しくないし、限界があると思うのです。各自の持っている意見をチームでもっと話し合い、ビジョンを共有して、自分たちの側から自分たちの為にコーチに働きかけていくという姿勢が現状の私たちには足りていないように思います。

自分のためにラグビーをして自分のために部活をやっているのだから、自分の意見、自分のやりたいことがないはずありません。それをもっと、表現して、仲間と共有していけば、自分たちの熱で、自分たちのエネルギーでもっと濃い、アツい時間を過ごせるのではないかと思います。

次は、普段の寡黙な印象とは裏腹に、スモブラでは人懐っこい笑顔を見せてくれる二年生の西久保にバトンを回したいと思います。去年は怪我での長期離離脱があった彼ですが、今年は、さらなる覚醒を見せて、対抗戦の舞台で大活躍してくれるのではないかと期待を寄せています。
 
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